ゴルフの話・3 こんなゴルフも有り

この頃のロス(と言っても郊外だが)は、紳士のスポーツとは
かけ離れた着のみ着のままの格好でゴルフ場に向かい、
予約なしで安くショートコースを回る事が出来た。
そのようなコースは、手入れも悪かったが、そういう大衆化
されたゴルフも許されていいと思う。

大したショットでも無いのに、接待ゴルフで三人揃って
「ナイッショ」と言ったり、構えてから打つまでが長くて、
見ているこっちが酸欠で気絶しそうになるようなゴルフは、
紳士のスポーツとは言い難い。

ともかく、スコアを気にするでもなく、でもたまにパーを取ると
やっぱり嬉しい。
そんなゴルフを数か月やっていた。
週末の気晴らし以外の何物でも無く、従って上達の意欲も
失せていた。

当然、打ちっぱなしにも行かない。
日中は暑いとは言っても、冬になってまでゴルフをやる熱意は無く、
一時中断。

翌二月にニュー・ジャージー州へ転勤となった。
ロスの陽気ですっかりだらけきっていたが、失っていた
情熱が再燃焼するのは、意外と早かった。

そう、きっかけと目標が必要なだけだったのである。

ゴルフの話・2 ゴルフグリップとは何ぞや?

初めての打ちっぱなし(*)で打つには打てたが、
たまに空振りもしたし、クラブの変な部分に当たって
Nの失笑を買うようなトコに打ったりもした。

(止まったボールが、なぜまともに打てぬ?)

この時のこの素朴な疑問が、その後、皆のスケジュールを把握して
毎週ゴルフ場を自分で予約し、ゴルフ漬けとなって、
ついにはコンペで優勝するまでになった原動力となっていた。

余談だが・・・

Nの部屋にあったゴルフの本を見てて、
ゴルフクラブの握り方というのがあるのを知った。
何も知らない自分は、野球のバットを握るのと同じ
握り方をしていたのである。
ただ、野球グリップをしているプロもいるとも書いてあったので、
赤面するほどでも無かった。

「レッスン受けても練習しなかったら、上達は無理だぜぃ。」
(先に始めた彼は、レッスンを受けていた。)

そうそそのかしてNを打ちっぱなしに誘い、クラブを借りて練習した。
その、ゴルフグリップとやらにも慣れねばならぬ。
ゴルフグリップは、パンツを穿かずにパジャマを着るようで、
実に違和感たっぷりだった。

「この間、ラウンドしたけど、誰でも行けるとこだったよ。
クラブ買って一緒に行こう。」

元々スポーツは好きでも、練習は嫌いな体質だから、同じ場所で
ただ黙々と打ち続ける打ちっぱなしは、確実に当たるようになると、
退屈極まりなかった。
Nに誘われるがままに、中古のハーフセットとパターやSWやらを買い、
シューズとバッグを揃えて準備OKだ。

さて、いよいよ、練習の成果を見せる時が来た。
レッスンを受け、新品のフルセットを買って先に始めた者を、
中古でしかも半分のクラブを使い、自己流の俺様が
後出しジャンケンで打ちのめす時が。

ハッハッハ

(*)ゴルフの練習場は、実際のラウンドのように自分で拾うわけ
ではなく、「打つ」だけなので、こう呼ばれる。

ゴルフの話・1 庶民ゴルフの天国・ロスへの駐在

ホッケーの話は先が長いので、一旦お休みしてゴルフの話。
話が前後するが、ホッケーの前の前に熱中していたスポーツ。
熱しやすいが、目標を達成すると一気に興味を失う性格ではある。

社会人になって二年。駐在でアメリカはカリフォルニア州の
ロス郊外に引っ越した。
ロスは、一年中、それも安くゴルフの出来るとこ。

だが、それは当時の話で、今は人口が急増し、
予約もままならないらしい。

ゴルフは紳士のスポーツとも言われ、服装やマナーに厳しい。
だが、ロス郊外では、予約無しでそれこそTシャツに短パンでの
プレーが許されるコースもある。
芝生の手入れは行き届いていないが、アメリカらしい、
大らかなというか、庶民的なゴルフが楽しめるのがグー。

駐在員はゴルフをやる事が、健全な駐在員生活を送る上で必須だ。
名刺交換の際には必ずと言っていい程、「今度ゴルフでも」
という話になる。

ただ、自分は「ゴルフはおっさんのやる遊び」と、
誘いには乗らなかった。
その後、同期入社のNが着任し、彼は誘われるがままに
ゴルフセットを購入し、レッスンも受けた。

「ゴルフって面白いよ」とNが言う。
同期のよしみで、週末は行動を共にしていたから、
誘われるがままに打ちっぱなしに行ってみた。

「5番アイアンが基本だから、5番打ってみたら?」
言われるがままに打ってみた。真っ直ぐ飛んだ。
「うまいじゃん。じゃ今度ドライバー。」
当たった。大きくスライスしたが。

「うまいじゃん。才能あるかもよ。」
そういうNはお世辞にも上手いとは言えなかった。
(レッスン受けてこの程度か)
と思ったほど。

(止まってるボールを打つなんて、野球より簡単。)

ゴルフの奥の深さを、この時は知る由も無かった。

アイス・ホッケーの話・4 ホッケーやる!

「ボク、ホッケーやる。」
全ては、長男のこの一言から始まった。

両親は、スケートとは無縁の環境で育ったが、カナダに移住し、
生まれてきた子供にはそんなことは関係無い。
周りを海で囲まれた日本人の多くが泳げるのが当たり前なように、
雪国で生まれ育ったカナダ人にとって、スケートをするのは、
自転車に乗るようなもの。
子供達にスケートを習わせるのは、実に至極当たり前な選択だった。

ただ、スケート・レッスンに続いて、同じリンクで
必ずホッケーの試合がある。
退屈なレッスンと対照的に、こっちはゲームだから、
実に楽しそうに見える。

長男も、レッスンの後は、この自分の家族とは無縁な、
楽しそうなゲームに見入っていたようである。(妻の談)

さすがに子供は覚えるのが早い。
我が家の家系で初めて、スケートの出来る子として
歴史に名を刻んだ。

そして、満を持して文頭の発言。
みんなと同じようにスケートさえ出来れば良い。
それだけが目的だっただけに、これには面食らった。

多くの日本人(恐らく北海道を除く日本全土)がそうであるように、
ホッケーに対していいイメージは持っていなかった。
①ぶつかったり、わざとぶつけられたりして、危ない。
②防具・道具・試合で膨大なお金がかかるスポーツ。
③試合中にケンカをする、野蛮なスポーツ。

しかし、それまで自分の主張をすることの無かった子の、
生まれて初めての主張。
それも「やりたい」ではなく「やる」と言い切られてしまっては、
「ダメ」とは言えない。

この、子供だけでなく、後に自分自身の人生をも変えることになる
決断は、実はしぶしぶ下されたのだった。

アイスホッケーの話・3カナダのホッケー事情

カナダはホッケー大国である。
冬季オリンピックでは最も応援に熱の入る競技であるし、
ホッケー専門のスポーツ用品店もあちこちにある。

池が凍ればホッケー、クリスマスに親戚一同が集まれば、
一族老若男女でホッケーを楽しむこともある。
裏庭にプライベートの仮設リンクを作り、
子供の遊び場にする人も。

夏もアリーナはオープンで、誰でも借りる事が出来る。
冬ともなれば、アリーナのレンタル料は倍に跳ね上がり、
それでもキャンセル待ちの状態になる。
ある意味、異常とも言える。

日本でここまでポピュラーなスポーツがあるだろうか?
野球、もしくはサッカーだろうか。
いや、体育の授業でもやる、バレーボールか。
ドッジボール・・・はまず無いな。

日本では、ドッジボールを禁止する動くがあるそうな。
「イジメにつながりやすい」「痛いだけ」というのが、
理由らしい。
日本は、ホントに住みにくい国だ。

ああ、また話が反れた。

野球の話・7 初優勝

バッターが、リトルリーグ仕込みの正確なバントで
キッチリ投手前に転がす。

(よしっ)
後は脇目も振らず一気にホームを駆け抜け、あろうことか
中腰でベースを注視していたアンパイアの顔(マスクあり)に
右肩を強打。

「セーフ!」
いきなり顔を殴られて動揺しながらも、
コールする主審。
劇的なサヨナラ勝ちだ。

「やったー!!!」
ベンチから全員が飛び出してきて、叩かれた。
テレビでしか見ることのなかったシーンが
現実に起こったのである。

ただ、野球の人生初優勝は、喜びよりも
主審にぶつかった時の肩の痛みと
皆に叩かれたことの方が強烈だった。

翌年バイトを変えたので、野球もシーズン最後の
この試合を最後に辞めた。

その後就職し、駐在を機に海外で野球を再開することになろうとは、
誰が予想出来たろう。

野球の話・6 必勝の策

「初球スクイズだ。思いっきり走れ。」
思いもよらぬ指示だった。

一点取れば勝ちだから、スクイズは選択肢にはある。
だが、タッチの必要のない満塁でのスクイズは、難しい。
それに、スクイズはカウントと敵の守りを見てやるもの、
という先入観があったから。

(初球か)

だが、例え失敗しても、最悪でもダブルプレーで攻撃は続き、
負けるわけではない。
かくして、必勝の策は下された。

心臓が口から出そう、とはああいうことを言うのだろう。
またバクバクしてきた。

ピッチャーはバッター勝負で、セットポジションでは無かった。
(えっ?このポジションでは、牽制球は投げられないんじゃ?)
三塁手もベースから離れる。
スルスルっとリードした。

(あれ?ほんとにいいの?)

ピッチャーが振りかぶる。
(今だ!)
三塁コーチが叫ぶ。「ゴーゴー!」
スタートと同時に、投球モーション中のピッチャーに睨まれた。
(あれ、牽制出来るんだっけ?)
足が止まった。

すると三塁コーチが、「止まるな!ゴーゴー!」
もうこうなると、行けと言われて、訳も分からず
敵陣に突っ込む足軽の心境だ。
ホームに向かって一目散に走る。
球がピッチャーから放たれた。

う~りゃ~

つづく